全国の50の古城 絵巻に
まず丸岡城でスタート
 長さ250メートル、 幅2,3メートルの越前和紙に全国の50の古城を描く…
こんな壮大な計画を松阪市駅部田町、 画家榊原匡章さん(54才)が7日、 日本最古の天守閣をもつ 丸岡城(福井県丸岡町)でスタートさせた。 5年後の完成を目指す。
 榊原さんは、 伊勢神宮の神官の家に生まれた。 90年には縦3メートル、 横2メートルの和紙を使った30ページ、 重さ62キロの大きな絵本を作ったり、 昨年は伊勢自動車道の前面開通を記念して、長さ108メートルの和紙に桑市の七里の渡しから鳥羽市の真珠島まで10ヵ所を描いた「壁画ジグソーパズル」 をつくったりしている。 城を描ことについて榊原さんは 「城は日本人のシンボルでもあり、 その町の人にはいろんな思いがある。 地域活性化、 振興につながれば」 と2年前から準備を進めてきた。 現在、 天守閣や櫓(やぐら)などが残っている城は全国で60ほどあるが、 「50」にしたのは 「50」 は 「いそ」 「いせ」 とも読み、 「伊勢」 に通ずるからという。
 7日は午前11時から天守閣前に和紙を広げ、 2時間かけて輪郭を描いた。 8日に水彩 絵の具で仕上げる。 丸岡城あとは、 姫路城など北海道から沖縄県までの城を回るという。                    
    
1994年5月7日 朝日新聞より
推薦書

 謹啓 皆様方にはますますご清栄の段大慶至極に存じます
さて突飛なお願いでございますがこの度三重県松阪市在住で全国の古城絵巻を制作中の絵師榊原匡章さんをご推薦申し上げたく存じます。
 現在彼は全国各地にある城の中から五十城を幅2・3メートル長さ270メートルの一巻の絵巻物にすることに挑戦しております。
城は歴史の生き証人であり日本人のシンボルであり心のふるさとでもあります。
  彼の絵はその古城を榊原流のくっきりと墨で輪郭を描き赤・青・黄・緑の四色の水彩 で塗つぶしていく「版絵」 と称されるもので躍動的な力強さがあり見る者に 強い印象と心和むやさしさを与えてくれます。
 平成六年五月 に福井県の丸岡城をはじめに活動が始まり今日まで十八城が 描き出されております。
 しかしながら全国各地に散在する由緒ある城郭を一個人で描きあげるのは限度があります。
 折しも今夏から彼の活動を支える民間ボランティアグループが組織され、活動の拠点を松阪市から 「山と川と古城のまち」 である犬山に置くことになりました 犬山には日本最古の国宝犬山城があり、まさにこの活動に符 合するものであると考えます。
  城が郷土を代表する得がたい歴史遺産、すぐれた観光資源であることから城をもつそれぞれの城下町が積極的に支援して下さりこの夢のある一大事業 が後世に残せるよう大願成就を願い何卒皆様方のご理解ご協力が頂けるようここに推薦するものであります。

   平成八年八月吉日 愛知県犬山市長 石田芳弘